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乳房温存率、2期で格差<乳がん治療法編>

 乳がんの治療は、手術で乳房をすべて切除するのが基本だったが、切除を最小限にする「乳房温存療法」が普及するなど、選択肢が広がっている。日本経済新聞社と医療専門誌「日経メディカル」が共同で実施した「がん治療の実力病院 全国調査」では、最も患者数が多い2期で温存率が9割を超える診療科がある一方、3割以下の診療科もあり、治療方針に大きな格差があることが分かった。

 調査では、早期の1期と、リンパ節への転移もある2期で、2003年に行った手術の乳房温存率をそれぞれ尋ねた。

 1期で温存率が50%以上だった診療科は、回答した183診療科のほぼ4分の3に当たる138診療科。一方、2期で温存率が50%以上だったのは、184診療科のうち64診療科と約3分の1にとどまった。

 2期の温存率では、今回の調査で治療成績の上位30位以内に入った“実力診療科”の間でも、大きな差があった。


 03年の症例数が100以上の施設で比べると、最も高いのは、治療成績6位の埼玉県立がんセンター乳腺外科(埼玉県伊奈町)で92.5%。末益公人部長は「がんが4―5センチ以上の患者には抗がん剤を積極的に投与し、3センチ以下にしてから温存手術を行っている」という。他の病院で「乳房をすべて切除するしかない」と診断されて訪れる患者が増え、手術まで2カ月半待ちの状態だ。

 一方、治療成績16位と埼玉県立がんセンターと同様、上位に入った愛知県がんセンター乳腺外科(名古屋市)の2期の温存率は24.0%にとどまる。岩田広治部長は「がんをきちんと取りきることを優先しているため」と説明。乳房をすべて切除する方法と温存療法では生存率に差がないとの海外の報告があるが、「温存後に局所再発する患者は他の臓器にも転移が起きやすく、その場合は生存率が下がる」と同部長は指摘する。

 昨年は臨床試験として術前の抗がん剤投与も積極的に行い、温存率は5割程度に上がったが、「患者から1%でも再発リスクの少ない方法にしてほしいと言われれば、乳房をすべて切除する方法を勧める」と方針の違いを認める。

 今回の調査では、同じ病院でも診療科によって温存率が大きく異なるケースもあることが分かった。

 東京女子医大病院(東京都新宿区)の2期の温存率は内分泌外科の71.4%に対し、第二外科は13.2%。内分泌外科の岡本高宏医師は「術後の患者の生活や早期の社会復帰を考慮し、温存療法を中心にしている」と話す。一方、第二外科の神尾孝子医師は乳房温存のニーズの高まりを認めながら、「再発につながる病巣を取り残さないためにも、温存ありきでは考えない」と愛知県がんセンターと同様の姿勢だ。

 同病院に乳がん治療で同病院を訪れる患者の窓口は第二外科。内分泌外科は甲状腺など内分泌系疾患がきっかけで乳がんが見付かった患者や、他病院からの紹介が主という。それぞれの治療方針が患者の選択に影響を与え、温存率の差に反映しているとみられる。

 また、温存療法といっても、病巣から約2センチ離して円形に切り取る方法や、乳頭を中心に乳房の4分の1を扇状に切除する方法など患者のがんの状態によって様々。患者は方針の違う複数の医師に意見を聞くなどして、自分に合った治療法を選ぶことが大切だ。

乳房温存率、2期で格差<乳がん治療法編>
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「実績情報」患者側では入手困難――「HP掲載」33%だけ
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総合評価上位の病院一覧(1)
総合評価上位の病院一覧(2)
総合評価上位の病院一覧(3)
調査の概要

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