米国の河川に生息する魚が微量の薬剤および化学物質に汚染されていることが明らかにされ、米国環境保護庁(EPA)および米ベイラーBaylor大学(ダラス)の研究により報告された。シカゴ、ダラス、フィラデルフィア、フェニックス、オーランド周辺の水路(いずれも近隣の下水処理施設から多量の排水が流されている河川)の魚の組織および肝臓に、一般的な抗ヒスタミン薬であるジフェンヒドラミン(商品名:Benadryl、日本での商品名:ベナなど)をはじめとする7種類の薬剤が認められたという。
処理水の排出については連邦政府による基準が設けられているが、薬剤や多くのパーソナルケア製品が環境および野生生物に及ぼす影響はほとんどわかっていない。過去の研究では、抗うつ薬の残留物が過剰に蓄積すると、魚の交配や闘争などの行動に影響の出ることが示されている。今回の研究は、この問題に対する政府の取り組みの一環として実施されたもので、複数の化合物が異なる地域の魚から検出されたのは今回が初めてだと著者の1人、同大学准教授のBryan Brooks氏は述べている。
検査対象とした36種類の薬剤および化合物のうち、ジフェンヒドラミン以外に以下のものが検出された(編集部注=日本国内未承認薬は英文表記):
- コレステロール低下薬gemfibrozil(Lopid)。これまでに野生の魚から検出されたことはなかったという。
- 高血圧治療に用いられるカルシウム拮抗薬ジルチアゼム(Cardizem、日本での商品名:ヘルベッサーなど)。
- てんかんおよび双極性障害の治療に用いられるカルバマゼピン(Tegretol、日本での商品名:テグレトールほか)。
- 抗うつ薬fuloxetine(Prozac)の有効成分であるnolfluoxetine。
li>抗うつ薬セルトラリン(Zoloft、日本での商品名:ジェイゾロフト)- 石鹸(せっけん)をはじめとする衛生製品の香料としてよく用いられるガラクソライドおよびトナライド。
ガラクソライドおよびトナライドは魚の組織に最も高い濃度でみられたが、そのほかの成分は肝臓に高濃度で認められた。
今回の研究は、米ソルトレークシティーで開催された米国化学学会(ACS)年次集会で発表されたほか、医学誌「Environmental Toxicology and Chemistry(環境毒物学・化学)」オンライン版に3月25日掲載された。
原文
[2009年3月26日/HealthDay News]
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