米国のガイドライン(指針)では少なくとも週に2.5時間の「適度な運動(moderate physical activity)」をすることが推奨されているが、この適度な運動とは、10分間に1,000歩というきびきびとした歩行に匹敵することが新しい研究により示された。
米国では、以前は30分の適度な運動を少なくとも週に5日行うことが推奨されていたが、昨年(2008年)秋にガイドランが改訂され、単に週に150分の運動を推奨するとの記述に変わった。「多くの人は、30分の運動をほぼ毎日という勧告にはなじみがあるが、適度な負荷が必要であることを知っている人は少なく、“適度”の意味がわかる人はさらに少ない」と、米エール大学(コネチカット州)医学部予防研究センターのDavid Katz博士は述べている。
米サンディエゴ州立大学のSimon J. Marshall氏らによる今回の研究では、女性58人、男性39人(平均32歳)にランニングマシン(トレッドミル)上で歩行してもらい、エネルギー消費を測定することにより、どの程度の運動が「適度」の範囲に入るのかを判定した。その結果、適度な運動とは男性で1分間に92〜102歩、女性では1分間に91〜115歩に相当することがわかった。これは「バスに乗り遅れそうになって急いでいるくらいの速さ。のんびりした歩きではなく、きびきびした歩き」だという。
歩きながら歩数を数えるのは難しいため、歩数計を用いて速度を測定することをMarshall氏は勧めているが、今回の研究では市販の歩数計の約半分は正確さを欠くことも明らかにされた。しかし、それでも歩数計を使用する方がよく、正確さの点では日本製のものが最も信頼できると同氏は述べている。米国政府の支援を受けて行われたこの研究の結果は、米医学誌「American Journal of Preventive Medicine(予防医学)」5月号に掲載される予定。
研究グループは、1,000歩の歩行を1日に3回、週5日実施すれば米国の運動ガイドラインを満たすことができると述べている。この基準値に満たなくてもウォーキングは心血管に多少の利益をもたらすが、心疾患やその他の合併症のリスクを軽減するには、30分の適度な運動が重要だとMarshall氏はいう。Katz氏によれば、歩数計がなくても、心拍数や呼吸数が顕著に上がるが一文(full sentence)を途切れずに話すことのできるペースが「適度」な運動の目安となるとのこと。
原文
[2009年3月17日/HealthDay News]
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