インターネットを利用することより、高齢者の脳機能がわずか数日で向上することが新しい研究で明らかにされた。
研究著者の1人で米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)教授のGary Small博士(“iBrain”の著者)によると、それまでほとんどインターネットの経験のなかった人が約1週間ネットサーフィンをするだけで、特に決定を司(つかさど)る脳部位の活性が大幅に向上したという。ネットを利用するときは多くの意思決定をする必要があることから、このことは理にかなっていると同氏は述べている。この研究は、シカゴで開催されたニューロサイエンス学会(SfN)年次集会で発表された。
現在、多くの専門家が精神機能について「使わないとだめになる(use it or lose it)」という考え方を支持している。米アルバート・アインシュタイン医科大学(ニューヨーク)のRichard Lipton博士によると、認知活動をしている人では機能や物事の全体像を見通す能力が優れていることは何年も前から知られており、パズル、楽しみで文章を書くこと、チェスなどの認知活動を楽しむことが、加齢による認知機能の低下を抑え、認知症の予防にもなるという。
今回の新しい研究は、この考え方を21世紀に持ち込んだもの。神経学的に正常な55〜78歳の成人24人を対象に、ネットサーフィンをしてもらうと同時に、MRIによる脳スキャンを実施した。被験者の半数は以前から日常的にネットを利用しており、半数はほとんど経験がなかった。最初のMRI検査の後、被験者には2週間にわたり1日1時間、毎日ネットサーフィンをするよう指示し、その後もう一度脳スキャン行った。
その結果、試験開始時には以前からネットを利用していた人の脳活性が大幅に高かったが、自宅でネットサーフィンを実施した後は、始めたばかりの人でも経験者との間に差がみられなかったという。「この結果から、認知活動をしているときの脳の活性パターンは比較的短期間で変化することがわかる」とLipton氏は述べている。ただし、ネットの使い方には注意が必要であり、「ギャンブルやショッピングに夢中になってしまうのはよいとはいえない」とSmall氏は指摘している。
原文
[2009年10月19日/HealthDay News]
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