1. 食事の内容の変化によって現代人は噛む回数が減っている
最近の若者の顔は中高年世代に比べて、面長で顎(あご)のラインがほっそりしていると思いませんか。この違いの一端は、食事の内容の変化にあるようです。ハンバーガーやフライドポテトなどのファストフード、口の中に入れると溶けてしまうほど柔らかな肉、ケーキ、プリンなど、あまり噛まなくても飲み込めてしまう食品や料理が私たちの食生活の中に増えていて、噛むという大切な動作を確実に減らしています。ある調査によると、今から2000年近く前の弥生時代には、1食あたり約4000回噛んでいたそうです。ところが、現代では約600回まで減っているというのです。わずか半世紀ほど前に比べても半分以下にまで減少しています。
「噛む回数が減ったからといって、それほど問題はないのでは…」と思うかもしれませんが、すでに子供や若者にいくつかの弊害が出てきています。例えば、今の子供たちはハンバーグやカレーライスなどの柔らかい食事を好むことから顎があまり発達せず、狭いスペースに永久歯が生えるために歯並びが悪くなり、虫歯の原因となりがちです。また、噛む回数が減ることで、歯や歯を支える歯周組織(歯肉、歯根膜、歯層骨など)の血流が悪くなったり、歯垢がたまりやすくなって歯周病にかかりやすくなります。事実、中高年以降の病気といわれていた歯周病が20歳代の若年層にも増えてきています。
きれいな歯並びや歯周病の予防以外にも、よく噛むということが健康を保つうえで実にたくさんの役割を果たしています。
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